炒めたビーフンは、我が家のランチの人気メニューです。
でも、なんか旨みが足りないとか、炒めているうちにビーフンが切れてしまう!なんていうお悩みはありませんか?
そんなお悩み、2つのポイントをおさえれば、解決しちゃいます!いつものビーフンを美味しくするポイントをお伝えしますね。
ビーフンの美味しさって、乾物の旨味からくるところが大きいと感じています。基本は、干し椎茸の旨味と干しエビの旨味。私はこれに、干し大根の旨味をさらに加えて作ることもあります。
ビーフンの美味しさは乾物の旨味から
干し椎茸の旨味
干し椎茸は、普段から水に浸けて冷蔵庫に保存しています。戻し汁は、料理にダシとして少量加えます。もちろん干し椎茸自体は、あれこれの料理に使います。
干し椎茸のグアニル酸という成分には、旨味を感じやすくする効果があります。
具体的には、私たちの舌にある、グルタミン酸という旨味の受容体が、旨味を捉えると離さないようにする働きをするというのです。
「旨味の相乗効果」と呼ばれるのは、こういう仕組みなのですね。
干しエビの旨味
干しエビは、ちょっとつぶして水に浸けて柔らかくしてから加えます。10分くらい浸けておいて、その浸け汁ももちろん使います。
干し大根の旨味
干し大根を加えるなら、15分ほど水で戻してから使います。水溶性の成分や風味が含まれているので、この戻し汁も使います。例えば、切り干し大根に多く含まれるカリウムは水溶性です。これを捨ててしまっては、もったいないですよね。
ビーフンは茹でない方が美味しい?
ビーフンを作るとき、大概の方が、ビーフンを熱湯で茹でてから使っているのではないでしょうか?袋にもそう書いてあることが多いし、私も以前は茹でてから炒めていました。
でも、炒めているうちにブチブチ切れてしまったり、食感がペニャペニャだったりで、あまり美味しく作ることができませんでした。
ある時、台湾のサイトを探していたら、「ビーフンは下ゆでしないでそのまま加える方が、むしろ美味しい」とあるのを発見して愕然としました。
旨みを出す乾物と旨みをもらう乾物
ビーフンも、乾物です!
乾物には、旨みを出す乾物と、旨みをもらう乾物があります。旨みを出す乾物は、例えば先ほど挙げた、干し大根や干し椎茸、干しエビのようなもの、あるいは昆布、鰹節などがあげられます。
お麩や高野豆腐は、反対に旨みをもらう乾物です。
例えば車麩のフレンチトーストを作る時、水戻ししてから卵液につけるのと、直接卵液に浸けて戻すのとでは、後者の方がグッと美味しくなるのです。
水分が入ってしまっている分、卵液の成分が入りにくくなって水っぽくなってしまうからです。
そう考えれば、台湾のサイトにあったように、ビーフンを下ゆでしない方が良いというのも納得がいきませんか?
ビーフンは旨みをもらう乾物
ビーフンは、旨みを出す乾物ではなく、旨みをもらう乾物なのです。
肉や野菜などの具材を炒めてから鶏ガラスープと、乾物の戻し汁を足し、沸騰したところにビーフンをそのまま入れて蓋をします。
たまに上下を返しながら、全体に液体が回るようにします。
しばらくすると美味しいダシを吸って、ビーフンが柔らかくなってきます。
この方法だとビーフンが切れてしまうこともなく、歯ごたえもいい感じに残ってとても美味しくなるのです。
旨みをかけ算することを考える
グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸が揃うと、美味しくなると覚えておきましょう。
- グルタミン酸は、多かれ少なかれほとんどの食材に含まれています。
- イノシン酸は、動物性の食材に多いと考えましょう。
- グアニル酸は、乾燥きのこ類に多いと捉えておきましょう。
一例として、2020年にNHKの番組でご紹介したレシピがありますので、調味法の詳細はこちらをご覧くださいね。具はその時にあるもので適宜アレンジを。
乾物たっぷり焼きビーフン
[材料] (2人分)
- ビーフン100g
- A{切干し大根30g、スライス干し椎茸 6g、干しえび 6g}
- 乾燥きくらげ 10g
- 豚小間切れ肉 120g
- 油 適量
- B{酒・ナムプラー・醤油・オイスターソース 各小さじ2 }
- ごま油 少々
- 胡椒 少々
- 青ネギ 適量
[作り方]
- きくらげは水(分量外)に1時間以上浸けて戻しておき、固い部分を除いて食べやすい大きさに切る。
- Aをあわせ400ccの水に20分ほど浸けて戻して絞っておく。戻し汁はとっておく。
- 鍋に油をひき、豚肉を炒め、色が変わったら1、2を加え、さらに炒める。
- 具をはじに寄せ、ビーフンと1の戻し汁、Bを加え蓋をする。沸騰したら、時々ほぐしながらビーフンが戻って柔らかくなるまで5分ほど炒め煮する。
- ごま油と胡椒で調味し、青ねぎの小口切りを飾る。
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