今回は初回なので、自己紹介をさせていただきますね。
サステナブル料理研究家のサカイ優佳子です。
横浜市に住んでいます。ご存知かもしれませんが、2023年、横浜と上海は友好都市提携50周年を迎えました。
2017年に千葉県の大多喜町というところに古い家を買い、たまにそちらにも出没。横浜の家から車で90分の大多喜では、庭で筍がとれ、地元の方々にお野菜をいただいたり、隣に住む猟師のおじちゃまからは、鹿肉や猪肉をいただいたりと、自然に近い暮らしを満喫しています。
SHANGHAI-ZINEでは、料理について連載させていただくことになりました。
でも、実は料理の教育的バックグラウンドはないんです。
ただ、食べるのが好き、旅するのが好き、そして「今日はメキシカン、タイ料理もいいな、明日はモロッコ料理かな、明後日は和食でも」みたいな食いしん坊の日系アメリカ人の夫がいることから、旅の先々で家庭やレストランで料理を教えてもらったり、海外から料理本を取り寄せて作ってみたりするうちに、当時開催されていたNHKの料理コンクールで2年連続入賞するくらいの腕前にはなりました。
大学は法学部。卒業して、バブル期の外資系金融機関に勤めていましたが、娘が生後4ヶ月で重度のアトピーとわかり、仕事を辞めざるを得なくなりました。卵、牛乳、エビ、カニ、タコ、イカ、鶏肉、牛肉、鶏がらスープも食べないようにと指導を受け、母乳育児だった私自身も、その全てを2年間食べずに娘を育てなければならなくなりました。当時は完全なワンオペ育児で、今考えれば育児ノイローゼ寸前まで追い詰められてしまっていました。
そこから、お母さんの居場所を作りたい!と料理教室を自宅でスタートしたのが1995年。今では、乾物、米粉、食育を中心に著書15冊、メディアにも多数出演させていただいています。
実は中国と関係が深い我が家
家族は、先に書いたような食いしん坊の日系アメリカ人の夫、中国と日本との医師資格を持つ31歳の娘、ネット関連の広告会社に勤める26歳の息子がいます。
我が家と中国は、実は関係が深いのです。
夫は、2016年まで8年ほど上海で仕事をしていました。娘は北京で大学を卒業。天津での研修時代も入れて9年間を中国で過ごし、息子は上海の現地高校を卒業しています。その間、私は日本に留まりながらも、毎年2〜3回は中国を訪れ、漢中路駅から2分ほどの家をベースに、中国の地方をあちこち旅しては、その食文化の奥深さを堪能していました。
母方の祖父は、若い頃新聞記者として蘇州に住んでいたと聞いています。私が8歳の時に80代で亡くなっているので、130年以上前のことです。子どもたちがまだ小さい頃、三人で蘇州を訪れてタクシーに乗った時にその話をしたら、「おじいさんが訪れたに違いない老舗のレストランに案内するよ」とのこと。タイムマシーンに乗ったような不思議な気持ちになりました。
さて、私が上海に行かなくなって7年ほど経ちました。当時習っていた中国語もすっかり忘れてしまいました。コロナもあり、どう変わったのか。「SHANGHAI-ZINE」への連載をさせていただくことになり、皆さんからのコメントなどで、その様子を伺えたらとも思っています。
地元の人がいく店で買い物するのが楽しい
上海の家に滞在中は、欧米人がよくいくスーパーではなく、地元の人たちが買い物に行く市場に出かけていました。
特に嬉しかったのは、上海蟹。家で茹でたり蒸したりするだけで、料理屋さんで食べる料金の何分の1かで楽しめます。日本では一杯で7000円なんてこともあるほどで、かなりの高級品。なので、上海蟹目当てに、そのシーズンには毎年訪れていました。
日本では見かけない野菜や豆腐製品など、みているだけで楽しくなります。市場では切り身でない魚もちゃんと手に入るのがいいところ。
今回ご紹介する蒸し料理は、頭や骨がついた魚で作ると、おいしさも倍増です。
「丸のままの魚はちょっと、、」という方もいらっしゃると思うので、切り身でのレシピを掲載しますが、大丈夫な方は、ぜひ中国で手に入りやすいイトヨリなどで試していただければと思います。
今回のレシピは、トウチ(豆豉)で美味しく!
白身魚の中華風トウチ(豆豉)蒸し
[材料] (2人分)
- カジキマグロ300g
- A{塩 ひとつまみ、紹興酒大さじ1}
- スライス干し椎茸 10g
- 長ネギ斜め薄切り 1/2本分
- 生姜みじん切り 小さじ1.5
- 鷹の爪の小口切り 1/2本分
- B{トウチ 大さじ1、紹興酒・醤油 各大さじ1、ゴマ油 小さじ1/2}
[作り方]
- 干し椎茸は、ひたひたの水(分量外)に15〜20分ほど浸けて戻す。
- カジキマグロは、食べやすい大きさに切ってAで下味をつける。
- 少し深さのある皿に2を並べ、その上に戻し汁ごとの1、長ネギ、生姜、鷹の爪をのせ、Bを混ぜたものを回しかける。
- 蒸気のあがった蒸し器で強火で15分ほど、魚に火が通るまで強火で蒸す。
*好みで蒸し上がりに香菜を刻んで飾る。
スライスした干し椎茸、上海で手に入るでしょうか。
忘れてしまいました。
でも丸のままの干し椎茸なら、どこでも売っていますよね。
丸のままの場合は、水に入れて冷蔵庫で7〜8時間かけて戻してみてください。
とても美味しく戻すことができますよ。
それを薄切りにして使うと、スライスよりもっと美味しく食べることができます。
もちろん戻し汁は使ってくださいね。
魚は、カジキマグロではなくても、白身魚なら大丈夫。
姿のままの時には、お腹に斜めに中骨まで包丁を入れておくと早く火が通ります。
切り身でない場合は、蒸す時間をもう少し長めにしてくださいね。
蒸し器は、大きな中華せいろがおすすめ。
お皿ごと蒸し器に入れることができると、これから寒くなってくる季節、お料理が冷めず、最後まで美味しくいただけるのもメリットです。
ぜひ作ってみてくださいね!
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