
「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ!
4月の今回の薬膳料理レシピは、「血を補い、気の巡りを良くする」がテーマです。
春の心と体を読み解くキーポイントとなるのが、『五臓の肝』です。春は肝が活発に働く季節 になり、肝が元気でいることが大切です。中医学での『肝』は、血を貯蔵したり、血流をコン トロールしたり、また精神的な安定をはかる役割も担います。

肝が活発に働く春は、肝が疲れやすくなり、精神や気持ちが安定しないため、落ち込みやすい、 ため息が多くなる、といった症状が出ることも。なので、肝が活発に働く春は、精神状態が不 安定になりやすい季節でもあるのです。
逆に肝が元気であれば、情緒は安定し、健やかな心持ちで過ごすことができます。
そこで4月の今回の薬膳料理レシピは、肝を元気にするポイント「血を補い、気の巡りを良くする」がテーマです。
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、 ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
旬の野菜は手に入りやすく、お値段もお手頃。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が 「薬膳」に!
さあ、「肝」を補う薬膳料理で、春の季節に備えましょう!
血を補い、気の巡りを良くする「薬膳和食」レシピ「たこの白ねぎ大葉ソース・温カルパッチョ」

【材料】2人前
たこ足 2 本(お好みで頭でも OK です)
白ネギ 10cm
大葉 10枚
にんにく 1かけら
オリーブオイル 50ml
レモンスライス 3 枚
塩 少々

【作り方】
❶ たこ足を 2mm 幅にスライスして、軽く塩をふっておきます。
❷にんにくをすりおろして、白ねぎはみじん切り、大葉は千切りにします。
❸小鍋にオリーブオイル、にんにく、塩を入れ、弱火で香りが出るまで煮詰めます。

❹❸がふつふつと温まったら、白ねぎを加え辛味が飛ぶように少し煮詰めます。

❺❹の鍋の火を止める直前に、紫蘇を入れかき混ぜたら火をすぐに止めます。

❻お皿に並べた「たこ」に熱いまま4をかけて、レモンを絞って上からかけたら出来上がり。 洋風の盛り付けでも和風の盛り付けでも!

古川先生による薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、肝を補う薬膳食材を教えてもらいました。

★たこ

気血を補い、筋肉や骨を強くする作用や皮膚の炎症を抑える作用があるとされ、 虚弱体質や 疲れやすく元気のない人に適した食材とされています。 栄養面では、胆汁酸の分泌を促し、 肝臓の働きを助け、コレステロールや高血圧によいタウリンが豊富。口内炎や肌荒れ、貧血 や視力の回復に有効なミネラルやビタミン B 群も多く含まれます。
★大葉

大葉は滋養強壮の効果があり、冷え性を改善する働きがある『温』という作用があり、体を温める野菜とされています。寒邪を除き、肺の働きを高め、気の巡りをよくし、胃腸の働きを回復させる効果もあります。また、一般的に刺身に副菜としてついているように、魚介類の中毒 の予防、中毒症状の嘔吐や下痢の改善にも効果的な食材です。ただし、体の内側に熱が溜まっ ている状態で大葉を摂取すると、余計な熱を溜めてしまう原因にもなりますので、熱っぽい症 状があるときは大葉の摂取は控えましょう
★白ネギ

寒気を伴うかぜの初期症状に有効で、お腹を温めて解毒もするので、下痢にも効果的な食材です。 身体を温め「温」「熱」の性質を持っています。過労や心労で疲れやすく、気力もわか ない人や、冷えて、かぜもひきやすい人、またストレスや不規則な生活で、イライラしやすく、 身体のリズムが乱れている人は積極的に摂取したい食材です。
★にんにく

気の巡りを良くすることで、元気なれる作用があります。また、にんにくは血の巡りも改善し てくれます。さらに”体を温める性質”があるので、内臓の働きを良くし、高血圧などの生活習慣病予防に効果を期待されます。
ニンニクに含まれる”アリシン”は、強力な殺菌効果があるとされています。冷えや、血流が悪い人には適している食材ですが、体が火照っている方や、暑がりの方、身体に炎症がある場合は摂取を控えましょう。
上記の食材は、今回紹介した「たこの白ねぎ大葉ソース・温カルパッチョ」にすべて入って いますので是非、作ってみてくださいね!
ドクターからの一言
春に起こりやすい症状として、下記の症状が現れることがあります。
1. 疲れやすい、やる気が出ない、集中力が低下する、頭痛やめまいがする。
2. 手足の冷え、肩こり、生理不順、肌荒れ。
3. むくみ、だるさ、体が重く感じる、尿量の変化。

これらの不調は、それぞれが独立して現れるのではなく、互いに関連し合っています。これら の症状の原因となっている、気の滞りは血の巡りを悪くし、水分代謝にも影響を及ぼします。 したがって改善治療は、それぞれの症状に個別に対処するだけでなく、全体的なバランスを整 えることが重要です。
春の変わり目に漢方を取り入れることで、気血水のバランスを整え、体調を維持することができます。
ただし、漢方は個人の体質や症状に合わせて使用することが大切なので、自己判断せずに当院 のドクターのような専門医の診察を受けることをお勧めします。
今回、ご紹介した薬膳レシピは、当院の古川先生が実施しています。古川先生の診察は、 黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。土曜日も診察可 能ですので、落ち込みやすさやメンタルの不調、だるさで困っている方は、この機会にぜひ、お問い合わせください。

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