中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第八弾!
10月の薬膳料理レシピは、この時期から冬にかけての「空咳や喉の乾燥の改善!」がテ ーマです。
台風が過ぎた直後から、少しずつ秋めいてきました。朝、目覚めて起きがけに「あれ?な んか喉がヘンだな?」と感じた方はいらっしゃいませんか?
中医学では、秋に気をつけなければならない臓器は「肺」とされています。肺は肝・腎・ 脾・肺・腎といった五臓の中で唯一、呼吸によって外気に触れる臓器。そのため、肺は空気が乾燥してくるのをいち早く察知して、喉や肺に燥邪が忍び寄ってくるのを知らせてくれるのです。
朝起きがけの喉の異変は、まさに燥邪のサイン。これをほっておくと、風邪をひいたり、肌あれを起こしたり、乾燥肌からの痒みがでてきてしまいます。
秋の食養生は燥邪から身体を守るためにも、“うるおすこと”がポイント!
そこで今回は、身体をうるおす薬膳レシピをご紹介します。
燥邪から喉を守る薬膳料理で、風邪にならないようにしよう!
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬 膳」に!
さあ、「身体をうるおす食材」を使って「乾燥」対策をしましょう!
空咳や喉の乾燥のための「薬膳デザート」レシピ「白きくらげと梨のコンポート」
調理時間: 15分
【材料】 2~3人前
・梨(洋なしでも和なしでも OK)・・・1/2個
・白キクラゲ(乾燥)・・・10g
・棗(ナツメ)・・・4個
・水・・・.400cc
・ハチミツ・・・大さじ1
・桂皮(シナモン)・・・.2本
*(お好みで)レモン・・・少々
【下ごしらえ】
★ボウルに水を入れて、乾燥白キクラゲを戻します。
(今回は生の白キクラゲを使用しています)
【作り方】
1. 梨は皮を剥き、芯をとって、5mmぐらいのいちょう切りにしておきます。
2. 鍋に水(400cc)を張り、戻したキクラゲを入れて中火で若干とろみが出るまでに煮つめます。
3. 2の鍋に1の梨と棗(ナツメ)、桂皮(シナモン)を入れてしばらく煮立てます。
4. 火をとめて、ハチミツを加えます。
5. お好みでレモンを絞ったら出来上がり!
古川先生による「身体をうるおす」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、身体をうるおす食材を教えてもらいました。
梨
「梨」には生津潤燥(せいしんじゅんそう)といって、唾液の生成を促進して、乾燥した身体をうるおす働きがあるといわれています。また、梨は秋に旬を迎え、「寒性」の果物で水分が多いので、身体にこもった熱を収めながら、うるおしてくれます。
白きくらげ
白キクラゲは古代の「本草綱目」にも記載されており、西太后や楊貴妃が滋養強荘や美容 のために摂取していたとも伝えられています。この白キクラゲには、多糖体が含まれてお り保水力が高いために化粧品や機能性食品としても使われていることも。また、脂肪吸収 の抑制や腸内環境の改善、胃の粘膜保護作用などの効果もあるようです。また、「肺を補 い皮膚を潤す」「胃を養い喉の渇きを抑える」「陰を補い身体の炎症を治める」効果が期 待できます。
百合根
百合根は栄養のバランスもよく、中医学的には身体に「潤いを与え、血を補い、胃を強くする」作用があると言われています。また陰を補う効果もあるので、喉が渇きやすい人や、 夜眠れない人に効果的な食材でもあります。そのほか、血を養い補腎効果もあるので、頻尿の方にもお勧めの食材です。
銀杏
秋になり気温が下がりはじめると、喘息持ちの人は症状が現れやすくなります。そんな方 の治療に「銀杏」は良く使う生薬の一つです。銀杏には抗菌効果、脂質の調節、活性酸素 の除去作用があると言われていて、カリウムも多く含まれるため、高血圧と動脈硬化の予 防に期待ができる食材です。しかし食べすぎると中毒を起こすことがあるので、摂取は 1 日 10 粒以下に抑えましょう。
上記の食材の一部は、今回紹介した「白きくらげと梨のコンポート」にも入っているので、 是非、作ってみてくださいね!
知ってて役立つ!漢方豆知識
美しい女性の容姿や立ち居振る舞いを、花にたとえて形容する時に「立てば芍薬、座れば 牡丹、歩く姿は百合の花」など言われていますが、実はこれらはすべて漢方薬の生薬で、 もう一つの意味がある事をご存知でしょうか?
★「立てば」
➡ イライラし、気の立っている状態の時には「芍薬」で気を沈めます。
実際に漢方では「芍薬の根」を血液の流れをよくし、痛みや筋肉のこわばりを和らげ心を落ち着かせる時に処方します。
★「座れば」
➡ 座ってばかりいると、血液の流れが悪くなり血液が滞るので、そういった状態の時に
「牡丹の根の皮の部分(牡丹皮)」を処方して、血液の流れを改善します。
白キクラゲは古代の「本草綱目」にも記載されており、西太后や楊貴妃が滋養強荘や美容 のために摂取していたとも伝えられています。この白キクラゲには、多糖体が含まれてお り保水力が高いために化粧品や機能性食品としても使われていることも。また、脂肪吸収 の抑制や腸内環境の改善、胃の粘膜保護作用などの効果もあるようです。また、「肺を補 い皮膚を潤す」「胃を養い喉の渇きを抑える」「陰を補い身体の炎症を治める」効果が期 待できます。
★「歩く姿」
➡百合の花が風でゆられているように、心と身体のアンバランスから、フラフラと頼りな げに歩く姿を意味します。こういった時には「百合根」を処方し、不安や不眠、動悸を改善します。
これらの生薬を用いれば女性は美しく、健康になれることから、転じて、この言葉が生まれたと言われています。
BODY&SOUL メディカルクリニックには経験 20 年以上の老中医と呼ばれる先 生がいます。お気軽にご相談ください!
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜20:00まで、老中医として紹介した劉先生、鄭先生の診察は黄浦クリニックで夜 20時まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、乾燥や肌荒れが気になる方、そのほか季節の変わり目で不調が続く方など、一度相談してみてください。 お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!