Offcial SNS

中国KEMBOマーケット事務局

突然大注目されたある都市の理由とは??

最近、中国のある都市が突然、全国から旅行客が押し寄せるほどの大注目都市となった。それは山東省の淄博という都市である。

なぜこの都市に旅行客が押し寄せるのか。
旅行客の目的はこの都市の「焼烤」である。

「焼烤」というのは肉類や野菜等の串を炙って焼く料理であり、簡単に言えば中国版BBQみたいなものである。江蘇省発祥であるらしいが中国国内でも広く支持されている料理である。

すでに中国国内では「焼烤」の有名なブランドがあるなか、なぜこの都市の「焼烤」が突然大注目されるようになったのか。
ここには中国においてブームが産まれる例としても参考になるかと思うので、その理由を一部ご紹介したいと思う。

その①:きっかけとなった配信

きっかけというのはいつも何気無いものである。本件のきっかけもあるネットでのライブ放送であった。そのライブでは淄博で焼烤を食べる動画を放送していた。

その動画は27,000の「イイね」を集めた。

ただ、この動画では焼烤を一般的な食べ方で食べるのではなく、卓上の小さな炭焼き機で焼きあがった肉をタコスの生地のようなものでネギ等と挟んで食べる、淄博ならではの食べ方であったようだ。この特殊な食べ方がネットで大きな注目を集めた。

更に追い風になったのは、この淄博という都市の焼烤店はプラットフォーム上での評価が総じて高く、またとても安いのである。
この情報が若者を中心に突然拡散され、山東省の若者の間では週末に淄博で焼烤を食べるというのが新たなライフスタイルとして形成され他の省へと伝わっていく。

3月に他の省からきた観光客は480万人超えをしたが、多くの人は一時の流行だと思っていたらしい。しかし、4月もこの勢いは止まることなく、今や若者だけに止まらず多くの人が高速鉄道に乗って淄博に焼烤を食べに行く様になっている。
ある予想では今年5月の連休に淄博の民宿は去年の12倍以上の予約客が訪れるのではないかと言われているくらいである。

その②:手厚い政府の支援

この状況を淄博の政府機関である旅行局がスルーすることなく、焼烤を食べに来る人たちの為に専用列車を用意したのである。この政府の動きはこれだけに止まらず電車を降りた後、焼烤を食べに行く専用バスを20本以上用意し、各店まで案内するという驚きの支援まで開始した。

また昨年、中国のある都市の烧烤店で女性に対する大きな暴力事件がおきたことも中国では記憶に新しい。そこで淄博の警察は夜も徹底的に巡回するのでみなさんは美味しい烧烤を食べて飲んでください、という様なPRも忘れないところが流石であった。こういった地域の取り組みも観光客に紹介され、さらにこのブームが拡大していった。

その③:人の誠実さを感じるストーリー

この時期に合わせ、多くフォロワーを持つインフルエンサーがある動画を配信した。

実はこの動画は「焼烤」を食べるわけではなく、淄博にある路上商店にある「秤」が正確かどうかを検証している動画である。
中国では肉も野菜も計り売りが基本的であるため、中には「秤」を改造して費用を多くとる、という様な店もまれに存在しているためにこの様な検証動画を流したということであろう。

しかしその結果、どこの路上商店も正確な秤を使用しており、悪質なことは一切おこなわれていなかった。これがさらにネット民の感動を生んだそうだ。

更にある烧烤店の方は
「今はお金儲けだけのためではなく、淄博の名誉のために商売をしている」
と言うくらいに都市全体で淄博を盛り上げているのである。

現在、ネットでは淄博の烧烤だけではなく、地域政府の動きの良さや、その都市に住む人々の誠実さや暖かさまでが注目され、この流行を継続させている様である。

と言うことで、もちろん上記がブームを生んだ全ての理由ではないものの、色々なことが積み重なった結果として現在の「”淄博”焼烤ブーム」を生んだのである。
美味しい焼烤だけでなく、政府支援や住民の誠実なストーリーが付加されたことでここまで大きなブームとなったのだろう。

この話はきっと中国でヒット商品やブームを生みたい!と思っている多くの方々の参考になるのではないかと思う。

ライター:Taro Nozawa
お問い合わせ:nozawa@kembo-net.com
KEMBOでは中国におけるWEBプロモーション、WEBサイト制作、
デジタル広告運営、SNS運用まで幅広くサービス展開しております。
詳細は以下よりご覧ください!
■KEMBO 成果をもたらすデジタルマーケティング
http://blog.kembo-jp.com/wp-content/KEMBO_DM.pdf
■KEMBOホームページ
https://kembo-net.com/

-中国KEMBOマーケット事務局

  • この記事を書いた人
  • 記事一覧