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日本の会社でオフィスワークがしたい

2022年3月21日

日本はすっかり春めいてきました。

春といえば桜。日本のお花見が大好きという外国人は多いですよね。早く観光客も入国できるようになって欲しいものです。

外国人が日本で暮らすためには、何かしら1個の在留資格が必要となるのでしたね。

日本で働くためのビザ(正しくは在留資格ですが、今後はわかりやすくビザと呼びます)の中の代表格は「技術・人文知識・国際業務」という長ったらしい名前のビザです。略して「ギジンコク」と呼ばれています。

これは、「日本にある公私の機関」との契約に基づいて行う、一定水準以上の専門的知識を必要とする活動に携わることができるビザで、誤解を恐れず簡潔にいえば、いわゆる「オフィスワーク」的な仕事をするためのビザになります。

「技術・人文知識・国際業務」ビザは、技術、人文知識、国際業務の3カテゴリーに分類されますが、在留資格としては、「技術・人文知識・国際業務」としてひとつで、次の表のような職種が考えられます。

カテゴリー職種の例
技術エンジニア、プログラマー、技術開発プロジェクトマネージャー等
人文知識経理、金融、総合職、会計、コンサルタント等
国際業務翻訳、通訳、英会話学校などの語学講師、デザイナー等

ただ、「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するにはいろいろとポイントがあり、日本の会社に採用が決まったとしても、常にビザを取得できるわけではありません!

「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するには、どのようなポイントがあるか、見てみましょう。

ポイント1

大学卒または日本の専修学校を修了、または10年以上(国際業務は3年)の実務経験

「技術・人文知識・国際業務」ビザを取るには、基本的に大学または日本の専修学校を修了しているか、あるいは10年以上(国際業務は3年以上)の実務経歴が必要です。

大学は、海外の大学でも短期大学でも大丈夫ですが、専修学校は日本の専修学校で専門士の資格を取得していないといけません。

また、学歴は卒業証明書等で証明できるので簡単なのですが、10年以上の実務経歴については、在職証明書などで職務内容や期間等を証明しなければいけないので、結構大変。昔勤めていた会社が既に廃業している場合は、証明できないということにもなりかねません。勤めていた会社を辞める時に、退職証明書をもらっておくとよいです。入管は、海外の会社に電話までかけて確認を取ることもあるようですよ。

ポイント2

履修内容と職務内容の関連性

大学や専修学校で学んだ履修内容と職務内容には関連性が必要なのですが、大学の履修内容との関連性はゆるやかに判断されるのに対し、専修学校は厳格に審査されます。

服飾デザイン学科の専修学校を卒業した人が、ホテルで外国語を用いたフロント業務を行う。

ポイント3

職務内容の専門性

「専門的知識を必要とする業務」しか行うことができません。よって、単純作業やマニュアルさえあれば誰でもできるような業務は不可です。そのような業務をしてしまうと、外国人本人は「不法就労」となり、企業は「不法就労助長罪」に問われかねないので注意が必要です。

観光学科の専修学校を卒業したが、採用後の2年間は実務研修としてレストランの配膳や客室の清掃に従事する内容だった。

ポイント4

日本人と同等以上の報酬

中には、外国人なら日本人より安く雇えるだろうなんて考えている会社がありますが、とんでもない話です。

外国人と日本人が同じ業務の場合、外国人の報酬は日本人と同額以上にしなければいけません。

月額20万円の報酬で申請があったが、同時期に採用され同種の業務を行う日本人従業員の報酬が月額25万円であることが判明した。

ポイント5

雇用の必要性

そもそも、その外国人を雇用する必要があるのかも審査されます。

中国語の通訳業務を行うとしてホテルに雇用されたが、そのホテルには中国人の客がほとんどいない。

尚、すべての就労系のビザに共通することなのですが、報酬を得て、無許可で自分の持っている在留資格以外の活動を行ってしまうと、「資格外活動罪」に当たりビザ取消の対象になるので、くれぐれも注意が必要です。

「技術・人文知識・国際業務」ビザの場合は、ひとつの在留資格なので、「人文知識」カテゴリーで許可を得た者が、転職等で「技術」カテゴリーに当たる活動をこなっても資格外活動罪には当たりませんが、「技術・人文知識・国際業務」ビザのまま会社経営など始めてはいけないのです。

この他にも、気をつける点が多くございます。是非お問合せください。

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廣瀬 由紀

東京在住。東京都新宿区「ひろせゆき行政書士事務所」の行政書士。主に、外国人のビザ申請業務を中心に活動中。就労のためのビザだけでなく、結婚して日本に在住するための家族滞在ビザや永住権のご相談も多い。外国人を雇用する日本企業に対する相談業務も行っている。