中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第十九弾!
3月の今回の薬膳料理レシピは、「なかなか暖かくならない今の季節の冷えを改善す る!」がテーマです。
暦の上では春でも、まだ寒い日が続きます。そんな時はどうしても気血の巡りが悪くなって体 も縮こまり、パワーダウンしてしまいます。中医学では、冬の邪気を「寒邪(かんじゃ)」と 呼びますが、この寒邪の影響で、肩こりや生理痛、腰痛など、冷えが原因となり痛みを伴う症 状が多くなってきます。この時期は、身体を温める食事を積極的に摂るようにしたいものです。 今回は、寒邪から身を守り、冷え症解消の薬膳レシピをご紹介します。
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮し て、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬膳」に!
さあ、「身体を温める食材」を使って「冷え症」対策をしましょう!
冷え対策に!「薬膳料理」レシピ
「ニラと桜えびの卵スープ」
調理時間 3分
【材料】 2人前
・ニラ......40g
・卵......1 個
・桜えび(乾燥)......3g
・ゴマ油・・・小さじ2
・生姜(みじん切り)......1/2 片
・にんにく(みじん切り)......1/2 片
・醤油......小さじ1
・昆布カツオ出汁......2カップ(濃いめのもの)
・オイスターソース......1〜2 滴くらい
(なくても大丈夫です)
・水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1:水小さじ2)
・粗びき黒こしょう……少々
【作り方】
1.ニラは4cm 幅にカットして、卵は割ってほぐしておきます。
2.鍋にごま油と生姜とにんにく(両方ともみじん切り)を入れ、弱火で熱して、 香りが出来てきたら、ニラを入れてさっと(数秒)炒めます。
3.その後、出汁と醤油とオイスターソースを加えます。
4.③が沸騰してきたら桜エビを加え、軽く煮立ったら水溶き片栗粉でとろみをつ けます。
5.④が再沸騰したところで、溶き卵を回し入れてひと煮立ちしたら、火を止めま す。
6.器に盛って、最後に粗びき黒こしょうを振ったら出来上がり!
古川先生による「冷え性改善」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、身体を温める食材を教えてもらいました。
ニラ
ニラは、胃の働きを高め、足腰の冷えや疲労回復に効果がある食材。また、胸を開き、胸のつ かえを取る作用があるので、胸が苦しい、元気が無い、悩み事が多い人は積極的に摂るといいでしょう。
桜エビ
滋養強壮効果が高く、胃を丈夫にして冷えの改善によい食材です。また桜エビそのものも良質 なタンパク源になりますので、疲労を感じる人、これから体力を付けたい人にもお勧めの食材 です。
生姜
胃腸を温め、身体が冷えたとき「生姜湯」や今回のスープなどで食すると、冷えの改善や 風邪の予防になります。身体を温める作用があるため「ナツメ」と一緒に摂取すると、生 理痛の緩和が期待できる食材です。
にんにく
胃腸を温める作用にすぐれ、胃腸の働きを活性化させ食欲促進になる食材です。辛味があり、 それによって胃腸に溜まっている老廃物の排泄も助けるので、お腹の張る人にはおすすめの食 材。ただし腸に炎症がある人には痛みが出やすいので、食する量には注意し、必ず加熱したにんにくを摂取するようにしてください。
上記の食材は、今回紹介した「ニラと桜エビの卵スープ」にも入っているので、是非、作って みてくださいね!
ドクターからの一言
冬は五臓の「腎(じん)」が消耗しやすい季節。腎は、中医学では体内の水分代謝のコン トロール機能のほか、ホルモン、生殖器、泌尿器、免疫系などを司るシステムのことで、 「生命力の貯蔵庫」とも言われ、特に「冷え」を嫌うといわれています。
腎は人間の発育や老化とも深く関係しているので、冬の間に腎をしっかりケアすることは、 アンチエイジング対策にもつながります。生ものや冷たい飲み物などは避け、身体を中か ら温め、気血の巡りよくする食材や、腎の働きを助け免疫を高めてくれる食材を意識して 取り入れるようにしましょう。
また、「補腎」の食材として、特に黒胡麻は積極的に摂取するようにしましょう。黒胡麻は肝 腎を養い、冷えた身体の潤滑油になり、腸や皮膚を潤す作用があります。抗酸化作用のある油 分でアンチエイジングにもお勧め。中国では、ペースト状デザートもあるので試してみてはい かがでしょう。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、冷え性、腰痛などでお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも
詳しい古川先生に一度相談してみてください。
お問い合わせをお待ちしています。
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