Appleの春の新製品発表イベントで発表された、Appleの新型Macデスクトップ【Mac Studio】。アーリーアダプターの手元に届き始め、早速分解する猛者も現れました。そんな中、Luke Miani氏のYouTube動画によれば、【Mac Studio】は物理的にSSDが容易に交換可能になっていることがわかりました。
ただし、Miani氏が2台の【Mac Studio】を使って以下のような実験を行ったところ、どうやらユーザ自身が【Mac Studio】のSSDを換装しても使えないようです。。
- 2台目の【Mac Studio】から初期化されたSSDを取り出し、1台目の【Mac Studio】の空きスロットに挿入したが、Mac StudioのステータスライトがSOSランプのように点滅となり、起動しなかった。
- 2つのMac 間でSSDを交換したところ、どちらも起動しなかった。
というわけで、AppleはOS(ソフトウェア)レベルで、ユーザーによるSSDの換装やアップグレードを規制しているようです。実際には【Mac Studio】デバイス自体はSSDを認識するのですが、AppleはSSDの起動をOS(ソフトウェア)で禁止しているということになります。
昨年11月、Appleは自社製品を、正規部品を用いれば修理可能になると発表していました。しかし今回の【Mac Studio】ではそれが守られていないということになります。
現在販売されている【Mac Studio】以外の全てのMacシリーズは、SSDがロジックボードに直接はんだ付けされてしまっていて、物理的な交換が非常に難しく、換装自体が不可能に近い状態です。しかし【Mac Studio】は物理的に交換が可能ということは、将来的にユーザによって十分な反発を受ければ、Appleはアップグレードへの道を開く可能性がなきにしもあらずといえそうです(AppleはOSのアップデートさえ提供すればSSD換装が可能になります)。なぜなら、Appleは「ユーザが自前で修理する権利」に対して少しずつですがオープンになりつつあること、またプロユーザはマシンスペックへの要求が高く、今後今後SSDのアップグレードを自分で行う必要が出てくる可能性があり、全てにおいてアップグレードが不可能なマシンは忌避される傾向にあるからです。Appleもそこを見越して換装可能なハードウェア設計にしたのではないかと思われるのですが。。
とはいえこれまでの【Mac Pro】に比べればハードウェア的にユニット化されているわけでもなく、非常にアップグレードは難しいといえるのかもしれません。ということで今回の新型Macは【Mac Pro】ほどのプロユースではないので【Mac Studio】という名前にしたというエクスキューズなのかなとも思ったりします。いずれにしても個人ユースにしては十分オーバースペックなので、私自身は購入を検討することはありませんが。。
ということで、【Mac Studio】の購入を検討なさっている方は、基本的にSSDの換装は不可能だと考え、必要十分な容量のSSDを選んでおくことをオススメします。AppleのSSDは妙に割高ですけど、仕方ないですよね。