上海料理は、中国八大菜系(中華8大料理、注①)のひとつ「淮揚料理(注②)」から派生したものといわれています。油と醤油でこってりとしながらも素材の味が生かされているのが特徴です。
上海に遊びに来た友人や家族に上海料理を食べてもらいたいという「上海ZINE」読者の皆さまのために、今回は地元っ子に人気の上海料理を紹介します。
八大菜系 山東料理、江蘇料理、浙江料理、安徽料理、福建料理、広東料理、湖南料理、四川料理
淮揚料理「淮」は江蘇省淮安、「揚」は江蘇省揚州で、この一帯で生まれた料理を指す。蘇菜ともいう。
素(野菜料理)
四喜烤麸
「烤麸」はスポンジ状の食材で、小麦粉を原料とし、日本の生麩に少し似ています。これをさいの目に切り、キクラゲ、えのき茸、ピーナツなどの野菜やキノコとともに炒め、醤油、砂糖などで甘辛く味付けしたのが「四喜烤麸」です。スポンジ状の烤麸に味がしみ込み、冷めてもおいしく食べられます。
上海の代表的な家庭料理です。
上海素鴨
「素鴨」は「豆腐皮」と呼ばれる湯葉(ゆば)のような食材で野菜やキノコを包み、表面を油でこんがりと焼いた料理で、見た目が北京烤鴨(北京ダック)に似ています。
ていねいに作られた素鴨は北京ダックに勝るとも劣らない美味といわれています。
肉料理
糖醋排骨(骨付き豚肉の甘酢炒め)
糖醋排骨は、数ある糖醋(甘酢炒め)料理の中でも代表的なものです。一口大の幅に切ったスペアリブに甘酸っぱく、濃厚なタレをたっぷりからめて仕上げます。多くの人に愛される江南地域の味です。
油麺筋塞肉(揚げ麩の肉づめ)
油麺筋(球状の揚げ麩)にひき肉をつめ、煮込んだ料理。油面筋が中につめた肉汁と煮汁を吸い込み、とてもジューシーな一品です。
子どもから大人まで、広い層に人気があります。
魚介料理
上海熏魚
青魚または鯉を、日本のたまり醤油に似た醤油の一種「老抽」をベースに八角などのスパイスを合わせたタレに漬け込んでから、煎り焼きにした料理。醤油の香ばしさと、川魚のやわらかい身を味わえます。
清蒸大閘蟹(上海ガニの姿蒸し)
旧暦の9月、10月頃は上海ガニの季節。雄のカニはねっとりとした「蟹膏(白子)」、雌のカニは濃厚な「蟹黄(みそ)」がたっぷり詰まっています。上海ガニの調理法はさまざなですが、カニ本来の味を存分に楽しめる姿蒸しは王道の料理といえるでしょう。カニは解熱効果のある食材のため、体を温めるショウガの入ったカニ酢につけて食します。
紹興酒との相性は抜群!紹興酒も体を温めます。
点心
麻球(ごま団子)
もち米粉で作った皮で、こしあん、黒ごまあんを包み、ごまをまぶして油で揚げた香ばしい菓子です。
生煎(焼き小籠包)
生煎は見た目は小さい肉まんですが、皮は薄く、中には小籠包のようにたっぷりのスープが入っています。多めの油できつね色に蒸し焼きにします。中のスープはアツアツですので、はしで小さな穴を開け、すするようにして食べるとよいでしょう。
できたてにかぶりつくのは危険です。
スープ
腌篤鲜
ぶた肉(三枚肉、ひじ肉、スペアリブなど)、タケノコを咸肉(ぶた肉の塩漬け)と煮込んだスープです。タケノコは細くやわらかいものを用います。
咸肉は一般家庭でよく手作りされています。
主食
陽春麺
陽春麺は何も具の入っていないタンメン(スープ麺)です。「高湯(ガオタン)」と呼ばれる豚骨や鶏ガラ・鴨ガラなどの材料を煮込んで作ったスープに、香ばしいラードを少量加えて仕上げるのが一般的です。
正統派上海料理の食べられるレストラン
老洋房花園飯店
かつて「チャイニーズマフィアの頭」といわれた杜月笙の4番目の妻が住んでいたお屋敷をリノベーションした、オールド上海の風情を感じられるレストランです。
店舗情報
老洋房花園飯店
住所:黄浦区紹興路27号(瑞金二路との交差点近く)
電話:4008-190-908, 2775
※電話は4008-190-908をダイヤル後、音声ガイドに従って2775を入力してください。