
2025年6月、上海浦東国際空港は国際トランジット旅客の快適性向上を目的とした8つの新サービスを発表した。各施策は2025年7月1日より順次導入され、世界的ハブ空港としての機能がさらに強化される。
1. 最短乗り継ぎ時間(MCT)の短縮
スムーズな乗り継ぎを実現するため、税関・出入国審査・保安検査と連携し、最短の接続時間を以下の通りに設定。
- 同一ターミナル内
国内⇄国内:60分、国内⇄国際:75分、国際⇄国際:75分 - 異なるターミナル間(T1⇄S1、T2⇄S2)
国内⇄国内:75分、国内⇄国際:90分、国際⇄国際:90分
2. 24時間通関サービス
7月1日以降、国際・港澳台出発エリアの海関、出入国審査、保安検査が24時間化。加えて、免税手続きやセルフチェックイン、セルフ荷物預けサービスも24時間対応となる。
3. 中継旅客向け新施設「中转无忧」:休憩カプセルとシャワーを導入

乗り継ぎ客向けの休憩設備として、以下が導入される:
- 13基の「睡眠舱(スリープポッド)」:T2国際出発D65ゲート付近に設置済み。24時間営業。新風システム完備、ブランケット提供、毎回清掃消毒付き。
- 料金:30分 35元、1時間 65元、1.5時間 95元、2時間 125元、3時間 185元、8時間 299元
- 設備:充電ポート、読書灯、小型タブレットあり
- 11室のシャワールーム:T1・T2の国際到着/トランジットエリアに分散配置。無料で利用可能。ドライヤー完備。
また、カプセルホテル形式の宿泊施設も今後設置予定で、T1とT2にそれぞれ10〜20室のスリープポッドを配置し、1時間65元/1泊333元での利用を想定している(2025年第2四半期完成予定)。
4. 深夜滞在を快適に「深夜驿站」
T1・T2の国内到着・混流エリアおよび国際出発フロアに、ソファ・リクライニング椅子付きの休憩スペースを設置。さらに、深夜でも必要なものの購入や飲食が出来るようになる。
- 24時間営業のコンビニ、自動販売機、飲食サービス、充電スポットを併設
- ホテルを利用しない深夜滞在者向けの“簡易宿泊”に対応

5. フライト遅延対応「航延乐享」
フライト遅延時に、空港内100店舗以上で使える食事クーポンを配布。航空会社との連携により、自由に飲食を選べるサービスを提供する。
6. ペットと一緒に搭乗「爱宠同行」
ペット連れ旅客向けに、専用チェックインカウンターと通路を設置。搭乗手続きから出発まで、ペットと飼い主が離れることなくスムーズに搭乗できる。
現在の対応航空会社:中国東方航空、中国南方航空、吉祥航空、春秋航空。

7. スマホで完結:館内デリバリー&ナビゲーション
スマートフォンでQRコードをスキャンして注文・決済ができるミニプログラムが登場。外部店舗の商品もロボット配送で登場口まで届けてくれる。ミニプログラムの言語表示は一部英語にも対応している。


利用の際はWechatにて「浦东国际机场」のミニプログラムを検索。

8. 忘れ物もデジタルで「失物速查」
浦東空港のミニプログラム上で、忘れ物のオンライン検索が可能に。見つかった場合に空港で引き取りができるため、無駄足のリスクが軽減される。


上海浦東国際空港では、これらの新サービス導入により「旅客の全プロセスでの利便性向上とサービス品質の最大化」を目指している。
出典元:浦江头条、懂经