
2025年6月26日、中国民用航空局(民航局)は航空機内の安全性向上を目的とした緊急通知を発表し、6月28日(土)から以下に該当するモバイルバッテリーの国内線機内持ち込みを全面的に禁止すると明らかにした。
中国国内線持ち込み禁止対象となるモバイルバッテリー
- 3C(CCC)認証マークがないもの
- 3C認証マークが不鮮明なもの
- リコール対象となっている型番または製造ロットの製品
民航局は航空機内での発火・発煙事故が近年多発していることを受け、国際的な危険物輸送技術基準に基づいた追加措置として、国内全空港および航空会社に対し厳格な対応を求めた。

大手メーカーでリコール相次ぐ、安全リスクが顕在化
2025年以降、リチウム電池を内蔵したモバイルバッテリーによる発煙・発火事故が相次いで報告されており、製品の安全性に対する懸念が高まっている。とくに複数の大手メーカーにおいて、電池セルの不具合によるリコールが進行中だ。
- ROMOSSは、2023年6月5日~2024年7月31日に製造された一部モバイルバッテリー製品について、6月16日に自主リコールを発表。
- ANKERアンカーは、モデル番号 A1642、A1647、A1652、A1680、A1681、A1689、A1257 の一部製品に対し、国家市場監督管理総局の認可(6月20日)を受け、6月21日よりリコールを開始した。
国家市場監督管理総局は、リスクのある製品に関して複数企業の3C認証を取り消しまたは一時停止する措置も講じており、航空機内に持ち込まれる充電器の安全性が重要な課題となっている。
リコール対象モデルの詳細確認は、国家当局や関連企業の公式発表、および専用検索ページで行うことができる。下記のQRコードから確認可能だ。

専門家が呼びかける「安全なモバイルバッテリーの選び方」
業界専門家は以下の点に注意して製品を選ぶことを呼びかけている。
- 「CCC(3C)」認証は製品全体に対する安全認証であり、構成部品単体では基準を満たしていない可能性がある。
- モバイルバッテリーは約500回の充放電で劣化しやすくなり、発熱・発火のリスクが高まるため、早めの買い替えが望ましい。
- 動作温度は0〜40℃が目安。触って「やや温かい」と感じる程度が限界で、「熱い」と感じたら即交換すべきサイン。
- 正規販売ルートで、3C認証マークが明記された製品を選ぶことが重要。
- 満充電や完全放電の頻度も、製品寿命に大きく影響する。
- 高空での気圧変化、衝撃、水濡れなどは発火リスクを高めるため、機内では特に取り扱いに注意が必要。
航空会社・空港への対応指示
今回の通知に基づき、各航空会社および全国の空港では以下の措置が求められている:
- 保安検査場での厳格な確認体制の強化
- 不適合バッテリーの廃棄・一時預かり用エリアの設置
- 利用者への案内表示、音声案内、スタッフによる周知の徹底
- 現場スタッフへの安全教育と緊急対応訓練の実施
民航局および交通当局は、「旅客自身が事前に充電器の認証マーク、ブランド、型番を確認することが、安全な空の旅の第一歩である」として、旅行者に注意喚起を行っている。
出典元:交通发布, 新闻晨报