「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第三十弾!
10月の薬膳レシピは、夏に消耗した「気を補い、肺を潤す薬膳」がテーマです。
「薬膳」と聞くととてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、ふだんからの食材の特性を組み合わせることも、立派な「薬膳」です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつも食材が「薬膳」に!
さあ、「肺を潤し、気を補う食材」を使って、「秋の養生」」をしましょう!
肺を潤し気を補う!薬膳レシピ
サバと小松菜の生姜風炒め
サバには気を補う作用の他に、血液をサラサラにする効果もあります。身体を潤す作用のある小松菜と辛味のある生姜を合わせた、滋養たっぷりの一品です。
【材料】(2人分)
・サバ(切り身。骨は抜いておく)……………180g
小松菜……………4 株(150g)
ねぎ……………1/2 本
小麦粉. ……………..適量
オリーブオイル……………大さじ 1
生姜……………5g
酒……………大さじ 1
しょうゆ……………大さじ 1/2
みりん. …………….大さじ 1/2
■A
酒……………大さじ 1
しょうゆ…………….大さじ 1
生姜汁……………大さじ 1/2
作り方
(下ごしらえ)
サバは骨を抜いて、A に5~10分くらい漬けておきます。
❶ 小松菜は 3cm の長さに切り、ねぎは斜め薄切りにします。
❷サバを一口大に切り、汁気を切って小麦粉をまぶします。
❸フライパンにオリーブオイルを熱し、千切りした生姜を入れて香りが出るまで炒めたら、 サバを加えて両面、色よく焼きます。
❹サバを端に寄せ、先に小松菜の軸を炒め、ねぎを加えて軽く炒めたらサバを戻し、小松 菜の葉を入れ、酒を振り、蓋をして 30 秒蒸らします。
❺❹のフライパンに、しょうゆ、みりんを回しかけ、全体に混ぜ合わせてます。
❻出来上がり!
古川先生による「秋の養生に役立つ」薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、「秋に摂りたい」食材を教えてもらいました。 これから紹介する食材は、今回紹介した「サバと小松菜の生姜風炒め」の中にも入ってい るので、是非、作ってみてくださいね。
サバ(鯖)
鯖は気と血を補う作用があります。なので、色は蒼白く、体がだるい、めまいや立ちくらみを起こしやすく、寒がり、しびれを感じるような、気虚証や血虚証の方におすすめです。
専門的には鯖は「肺」と「脾」に作用するので、肺の気が不足して咳が出る時、脾が弱り消化不良の時などにも良いでしょう。さらに、サバやサンマなどの秋に旬を迎える魚には、 ビタミン・ミネラルが豊富に含まれているため、寒くなるこれからの季節に向けての養生 に積極的に摂りたい食材です。
小松菜
小松菜は、滋陰作用があり、身体の津液を補うため、鼻や喉の乾燥を防ぐ効果がります。 なので、風邪の予防、特に空咳のある方にお勧めする食材です。また、小松菜は食物繊維 が豊富で「通利胃腸」作用があるので。胃腸の働きを改善し、便秘の時には通便を促して くれます。小松菜は豆腐と合わせて一緒にスープや味噌汁として、適量を食べることをお勧めします。
生姜
夏から秋にかけて突然冷たい風が吹き、鼻水が出たり、お腹が冷えて痛くなった時などは、 発汗、胃腸を温める作用がある「生姜湯」がお勧め。生の生姜は辛味があるため。胃に刺 激を感じる場合には、蜂蜜を加えるとマイルドになります。
古川先生からの一言
秋の養生には、夏に消耗した気と潤いを補うことが大切です。夏は汗をかくため身体のミネラルが欠乏し、体液が少なくなります。また秋になると「乾燥」の季節を迎えるので、 さらに体液を消耗してしまいます。特に空気が乾燥して気温も低くなる、中秋から晩秋に かけては「肺」を潤すことが重要になってきます。
さらに、秋は冬に向けて身体にエネルギーを蓄えることも重要なポイント。中医学養生の 考え方では10月に滋養強壮の甘い薬(膏方)を服用する習慣があります。「甘味」は身 体を補う作用、そして「酸味」には収斂(しゅうれん)作用があり、エネルギーを体にと どめてくれます。
秋になると喘息になる方、空咳が続く方は、早めにご相談に来てください。秋口、早い時 期から改善の漢方を服用すると、症状が悪化せずに早く治療が進みます。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、季節の変り目の不調でお悩みの方は、西洋治療や薬 膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。
お問い合わせをお待ちしています。
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