去る2023年4月7日発売日当日に入手したHUAWEI MATE X3(過去記事参照)ですが、HUAWEIのスマートフォンは米国の規制によって、Google系モバイルサービスが普通にはインストールすることができませんでした。しかし特殊な方法を使って先ほど無事GMS(Google Mobile Service)のインストールに成功し、問題なくGoogle系のサービスが使えるようになりましたのでご報告します。
※ただし、通知機能が利用できませんのでご注意を!
今回私は中国の世界最大のEC、タオバオ上で行われているGMSインストールサービスを利用しましたので、その手順を簡単にご案内します。
必要なものやスキル
- HUAWEI MATE X3 本体 ※現時点ではHarmonyOS 3.1搭載
- Windows PCと、ある程度のPCスキルと知識
- HUAWEI MATE X3とWindows機本体を繋ぐUSBケーブル
- 中国国内(大陸)からは壁越えしているネット環境(もしお持ちでなければ当方が運営している1coinVPNをご利用ください)
- 中国語スキル ※恐らく英語ではやってくれません。もちろん日本語も無理なので、できるだけ中国語、しかもある程度のレベルでないと難しいと思います
HUAWEI MATE X3にGMSを入れる手順
- まずタオバオ(淘宝)アプリ等で、【GMS框架】で検索します。そしてHUAWEI MATE X3に入っているOSと同じバージョンに対応しているサービスを探します。自分の場合はHarmony(鸿蒙)OS 3.1と書いてある以下のサービスにしました。値段は正直【GMS框架】で検索できたサービスの中で一番高いものでした。58元は約1,130円。安かろう悪かろうはあると思いますし、ちゃんとできるのであればこの値段は高くないと思います。しかも、タオバオを間に入れているので、成功報酬制です。失敗したらキャンセルすればOKです。なおこちらには対象機種の説明にHUAWEI MATE X3は入っていませんでしたが、質問したところできるというのでお願いしました。
- タオバオ上で連絡を取り、支払いをします。すると、WeChatの連絡先を追加するよう促されます(本来はタオバオではやってはいけないことなのですが、事情が事情だけに仕方ありません)。できればHUAWEI MATE X3ではなく、Windows PC上でWin版のWeChatを開けて連絡を取るといいでしょう。理由はあとで説明します。
- WeChatで作業の流れの説明が送られてきます。始める前に、設定アプリ>端末情報の部分をスクリーンショットして送ります。※中国人にリモート作業をしてもらうため、便宜的に中国語に変更してあります。
- まず最初に、【ToDesk】という中国のリモートアプリをPC(Windows)に入れるよう促されます。そしてインストールして起動しログインすると現れる【デバイスコード(设备代码)】と【臨時パスワード(临时密码)】をWeChatで送ります。このとき、同じWindows PCにWeChatが入っていれば、コピペができるので便利です。説明にはログインしなくていいと書かれていますが、実際ログインしないとデバイスコードと臨時パスワードが現れないので、アカウント登録してログインしましょう。
- 【アプリマルチアカウント(应用分身)】を全てオフにします。
- HUAWEI MATE X3をWindows PCとUSBケーブルで接続します。HUAWEI MATE X3側に現れたウインドウで【ファイルの転送】を選択します。
- 設定>端末情報でHarmonyOSバージョンのところを6回以上クリックして開発者モードをオンにし、設定>システムと更新>開発者向けオプションで【USBデバッグモード(USB调试)】をオンにします。
- オンになった証拠のスクリーンショットをWeChatで送ります。
- すると、店舗側がリモート操作でWindowsとHUAWEI MATE X3を操作しつつ作業を開始します。とあるツールを使っている感じです。特に問題なければ、5〜10分ほどで終了します。
- 途中でGoogleのアカウントを登録する画面が現れます。その時点でHUAWEI MATE X3側が接続しているネットが壁を越えていなければなりません。中国大陸にいる人は、VPNアプリをオンにしておくといいでしょう。もしお持ちでなければ当方が運営している1coinVPNをご利用ください。
- 中国大陸以外にいる人は特に問題ありません。
- 3回ほどHUAWEI MATE X3が再起動するので、HUAWEI MATE X3側で都度起動のためのパスコード(パスワード)や、USBデバッグモードで接続を手動で行ってください。もちろん店舗側もWeChatで連絡してきます。
- 完了したら、注意事項が送られてきます。HUAWEI MATE X3側でちゃんとGoogle系サービスが使えるか確認したあと、タオバオで【收货】しましょう。またいい評価を書くとアフターサービスもしてくれるらしいのでぜひしておきましょう。
本当は彼らがやっている方法を全て録画しておけばよかったのですが、失念しました。見ていたところ、Aから始まるパッケージが1つにまとまったツールを使っていましたので、いずれにしても今は誰でも自分でできるツールが出ているということになります。ただし、ツールを解凍するパスワードがわからなかったので、きっとそこに費用が発生します。そこでお金を払うくらいなら、専門家の技術者にやってもらった方がいいと思います。失敗したらお金払う必要はないですしね。
無事完了!
というわけで、本来は米国の規制によりGoogleモバイルサービス(GMS)が入らない中国大陸版HUAWEI MATE X3でも、Google系サービスが使用できるようになりました!
▼Playストアがちゃんと開けて、アプリもインストール可能です。当然、中国大陸のネットですと壁越え環境が必要ですが。
▼デスクトップにいくつかGoogleモバイルサービスがないと使えないアプリがあるのがわかるかと思います。Playストア、マップ、フォト、スプレッドシート、翻訳、YouTube等々。。全て普通にPlayストアでインストールしました。
設定アプリにも【Google】の項目が増えました。
【Google Play 開発者サービス】も入っています。
注意事項
店舗側から送られてくる使用時注意事項を翻訳してみました。
- システム設定でGoogleアカウントをログアウトしたり、パスワードの変更を行わないでください(ログインできなくなります)
- システムの【アプリマルチアカウント(应用分身)】や【プライベートスペース】機能はオンにしないでください。GMSフレームワークが崩壊してしまいます。
- Google Play Serviceを自ら更新しないでください。認証されていないデバイス、という表示が出るようになり使用できなくなります。
- Playアプリを開いて、右上の自分のアカウントのアイコン>Googleアカウントの管理>セキュリティタブ>【2段階認証プロセス】をオンにしてください。
ChromeでGoogleアカウントが同期できない問題の解決方法
ChromeでGoogleアカウントが同期できない場合(Googleにログインできないと表示される場合)、以下の方法で解決できます。
- 設定>【アプリとサービス】>【アプリ】とタップし、Chromeを検索して入ります。
- 【権限】に入り、【連絡先】のアクセス許可を【許可】します。
- Chromeをいったんシャットダウンし、再度開きます。
これでChromeのアカウントの同期ができるようになります。
不具合:通知が使用できない!
ただし!これがこの方法での最大の欠点ですが。。なんとPlayストア含む、Google関係アプリの通知機能が利用できません。これは今のところ他に方法がなく、Google(及び米国政府)のHUAWEI(ファーウェイ、華為)に対する制裁が終わらない限り解決は無理だという回答を得ています。
Gmailについては网易邮箱大师アプリで、Gmailのアカウントを入れ込むことで読み込むことができ、通知を受け取ることができますが、中華アプリを使うことに抵抗がある人は難しいですね。。
というわけで、この欠点があってもGoogleモバイルサービスが使いたい!という方はどうぞ、ということになります。
HUAWEI MATE X3、海外版を待つ必要なし!
自分で1〜2日かけてシックハックしていたのがバカバカしくなるくらい簡単にできてしまって悔しいですが、ともかくこれで多少の注意事項と上記の不具合はあるものの、中国大陸版HUAWEI MATE X3をAndroidスマートフォンとして使えるようになりました。
現在はまだ中国大陸版しかなく、海外版はまだ発売予定がわからないのですが、GMSがないから中国大陸版を買わないという選択肢はなくなったということです!唯一の弱点は5Gが使えないくらいですが、海外版が出たとしても米国の規制は続いているので、5Gは搭載されないでしょうね。しかしそこまで携帯ネットワークで速度を追い求めている人はいるのでしょうか?個人的には現実的に4Gと5Gの速度差はそこまでないような気がしますので、4Gで不満は感じていません。
世界最薄・最軽量の折りたたみスマートフォン、技術の粋が詰め込まれたガジェット欲をくすぐるHUAWEI MATE X3、Google系サービスをインストールするには少々ハードルが高いですが、ぜひガジェット好きな皆さんに体験していただきたいです。