中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第十八弾!
あっという間に 11 月も半ばになりました。1 年は早いものですね。
さて、今回の薬膳料理レシピは、これから本格的に寒くなる季節に「風邪の諸症状の緩和!」がテーマです。
先週、すでに暦では立冬を迎え、これから乾燥した冷たい空気に冬の気配を感じるように なります。
冬本番を迎える前でも、突然の気温の低下に衣服の調節が追い付かず、体が冷えを受けて 「寒邪」に犯されることがあります。
これは風邪の原因ともなるので、 “身体を温める食材を取り入れていくこと” が、11 月 の食養生のポイントとなります!!!
そこで今回は、身体を温め風邪の諸症状の緩和が期待できる、薬膳レシピをご紹介します。
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮し て、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、
いつもの食材が「薬膳」に!
さあ、「身体を温める食材」を使って「冷え」対策をしましょう!
身体を温める!「薬膳料理」レシピ
「かぶのすり流し汁」
調理時間 15分
【材料】 2人前
·かぶ ………… 3 個
·白身魚 ………2 切れ
·豆腐 ………… 半丁
·出汁 ………… お椀に 2 杯分
(調味料 )
A)酒 …………… 小さじ 1 +1/2
A)醤油 ………… 少々
A)みりん ……… 小さじ 1
A)塩 …………… 少々
·練りわさび …… 適量
【作り方】
①かぶは野菜洗い専用洗剤でよく洗い、皮ごとすりおろします。
※野菜洗い専用洗剤がない場合は、50 度のぬるま湯でよく洗っても大丈夫です。
②白身魚は食べやすい大きさに切り、片栗粉少々(分量外)を軽くまぶして茹でます。
③A の調味料を混ぜておきます。
④鍋に出汁と①を入れて煮立たせ、食べやすい大きさに切った豆腐を加えて A を加えて 味をととのえます。(分量は味見をしながら調整してください)
5) 腕に②の白身魚を入れて4を上からかけ、わさび(少々)の乗せて出来上がり!
【ワンポイント】
味わいも淡白でくせのない「かぶ」の薬効を丸ごと取り入れるには、できるだけ皮ごといただきたいものです。すまし汁に加えれば、胃腸がじんわり温まり、食欲がない時や胃が もたれているときに最適な一品。
白身魚は鱈など柔らかな魚を選ぶといいでしょう。また白身魚の代わりに豆腐を多めにし ても大丈夫です。
あっさりとして食べやすいので、食欲がない時でもしっかりと栄養が採れるところもポイ ント!
古川先生による<「風邪症状緩和」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、身体を温め風邪の症状を緩和させる食材を教えてもらいました。
かぶ(蕪菁)
美味しい食材が増える秋は、暴飲暴食になりがちです。そんな時におすすめ食材が「か ぶ」。胃腸の働きを助け老廃物を排泄、そして体に溜まった湿邪を排泄してくれます。解 毒効果もあるため吹き出物が出る人にも!お酒を飲んで口が乾く人にもおすすめです。
白身魚(鱈)
アミノ酸をたくさん含んだ、栄養価が高いお魚で、体力増強におすすめです。身体の炎症 を抑えてくれる脂質も多く、便秘になりやすい人には特におすすめ。また血液もサラサラ にしてくれます。
豆腐
豆腐は胃腸に優しくタンパク質が豊富な食材で、食物繊維も多く腸を綺麗にしてくれます。 腸内環境を整えて免疫をつけて風邪を予防していきましょう。
上記の食材は、今回紹介した「かぶのすり流し汁」にも入っているので、是非、作ってみてく ださいね!
古川先生からの一言
「風邪(かぜ)」は、東洋医学では「風邪(ふうじゃ)」が体に侵入したことにより起き ると考えられています。特に寒気に当たりやすい冬場や、春先のように風が強い時には「風邪」が体に入りやすいと言われています。「風邪」をひいたとき、「寒気」がする時 もあれば、急激に熱が上がってのどが痛くなったりすることもありますよね。それは「風 邪」と一緒に「寒邪」が入ってきているのか、それとも「熱邪」が入っているのかという 違いが関係しています。
「寒邪」が入ってくると、寒気がしたり、熱があっても寒く感じる、首が凝るなどの症状 が出やすくなります。
一方、「熱邪」が入ってくると、発熱したり、熱がないのに熱っぽく感じたり、のどが強 く痛んだりすることがあります。
風邪の症状別に漢方を飲んで風邪を長引かせないようにしましょう❗
「風邪」は、漢方薬を使うことで治るまでの間の症状を抑えたり、早く回復させ
ることができます。症状の出方や進行度などによって適した漢方薬を服用すると 効果的です。