
中国では大型連休となる国慶節が終了し、筆者も必死にモードを切り替え仕事を再開した今日この頃。
国慶節にはあまり遠出はしなかったが蘇州古典園林というユネスコ世界遺産にも登録されている明や清の時代に建設されたという庭園等を見てきた。現在はコロナの影響もあり海外旅行等ができないので観光地はどこに行ってもたくさんの人で溢れていたようだ。発表では2021年10月1日から7日までの期間で国内旅行をした人の数は5.15億人となり、国内旅行消費額は3890億元(約6.7兆円)とコロナ前の約60%まで回復したということだ。
そんな国慶節だったが観光地や色々な場所に行って思うのは日本とのお酒の販売事情の違いである。そもそも結論からいえばあんなに酒の種類が豊富でいつでもどこでもお酒が飲めるし、飲んでいる人が多いのは日本特有であろう。一見お酒飲みが多いイメージのある中国だが、実は観光地等の屋外での酒販売はほぼ見ないのである。
日本と言えば様々な観光地や遊園地、スポーツ観戦等の会場、お祭り、何はともあれ人が集まる所では酒を販売している。しかし中国では屋外になると真夏等、季節に関わらず酒はほぼ販売されていない。コンビニでかろうじてビールが買えるかどうか、ということろだろう。
知り合いの中国人に聞いても食事の時には飲むけど歩いて飲むとか、食事以外の時にお酒を飲むという習慣はあまりないそうだ。「そこまでして飲みたい・・・?」という様な感覚だそうだ。筆者としてはお祭りの様な出店が並んでいる所でも酒の販売は無いのは少し寂しい。(※ちなみに酒の替わりと行ってはなんだが果物はだいたいの場所で売っている。)
また屋内では無いが新幹線でも販売されていることは少ない。筆者のイメージでは【新幹線に乗る=ビール飲む】
くらいの強烈な(個人的)イメージがあるのだが中国ではその様な人は全く見ない。奥さんと新幹線に乗る時にビールを飲んだ時、「ラベルを隠して飲んで」と言われるくらいちょっと恥ずかしいことのようである。
それでは屋内ではどうか。例えば日本の映画館に行くと必ずと言って良いほどビールがある。しかし中国では販売していない。筆者のイメージでは
【映画を見る=ビール飲む】
くらいの強烈な(個人的)イメージがあるのだが中国ではその様な人は全く見ない。中国に来たばかりの時には映画館にビールが売っていないので目の前のレストランでビールだけ持ち帰りしようとした。店員にどこで飲むの?と言われ映画見ながらと言うと「マジカヨ・・・そんな飲みたいの?!」と本当に驚いた様子であった。この様に日本と中国の酒販売(飲酒)事情は結構異なっているのである。
あと、これは余談だが電車内の酔っ払いについて、もちろんたまーにいることもあるが、日本より圧倒的に少ないし、コンビニ前の立ち飲み姿等もほとんど見ることはない。
また、昨今では中国の若年層の酒離れも話題になっている、そして中国の国内メーカーもそんな層をターゲットにしたノンアルコールビールを発売したというニュースも見る様になった。しかし個人的に思うのは中国ではそもそも酒を飲む人、飲まない人という白黒が日本より明確になっており
「あまり飲めないから低アルコール(ノンアルコール)で・・・・」とか
「飲みたいけど飲み会続きだから今日は低アルコール(ノンアルコール)で」という感覚を持つグレーな層が少ない気がしている。飲むか飲まないか、という印象が強いのである。
これは中国の飲食店であまりお酒の種類が無いことも影響しているであろう。酒類の王道としては「ビール」と「白酒」という2TOPがおり、それ以外の選択肢があまり多く無い。「ビール」や「白酒」は味的にも酒好きな人しか飲まないので、先ほど言った様な飲む人、飲まない人という明確な白黒ができやすいのではないだろうか。
ノンアルコールや低アルコール飲料等、様々な商品が増えているがこれからの中国ではどの様な酒文化の変化が見られるのだろうか。

ライター:Taro Nozawa
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