
恐れ入りますが、まず“数字の現実”だけご覧ください
中国でご活躍されている日本人の皆様は、日々たいへんご多忙で、資産形成が後回しになってしまうことは決して珍しくございません。
一方で、資産の世界は、こちらの事情を待ってはくれません。
大変僭越ではございますが、ここ数年〜十数年で起きたことを、データとして整理させてください。
上記のように、外貨ベースの見え方が大きく変わります。円資産だけだと、外貨コストが発生する局面で“必要なお金が足りない見え方”になるリスクがあります。
円は「すでに」大きく価値が変わりました
海外生活において重要なのは、円が“動く”ことそれ自体ではなく、購買力(他通貨で見た価値)が直接影響を受ける点です。
たとえばドル円は、長期で見ると大きく動いています。 2012年頃は80円台、2022年は150円台、2023年の平均は約136円という年もありました。

仮に同じ「1,000万円」を円で保有していたとしても
- 1ドル=80円なら → 約12.5万ドル相当
- 1ドル=150円なら → 約6.6万ドル相当
将来、教育費・医療・住居・帰国後生活などが想定される方ほど、通貨の分散=家計の安定化につながります。
人民元も「絶対安定」ではありません
人民元(CNY)も対ドルで変動します。
円と同様に、「自国通貨だから安全」とは言い切れません。
そして中国在住者の場合、もう一つ大きな論点がございます。
中国特有の「外貨枠」「資本規制」という現実
中国では、制度上、資金移動や外貨へのアクセスが“いつでも無制限”とは限りません。
そのため、海外在住者は特に下記を先に設計しておく価値が高くなります。
- 通貨(JPY/CNY/USD)の持ち方
- 出口(帰国・移住・教育費支払い)の導線
- 資金移動の実務
参考:実際に「外貨を増やす動き」は統計にも表れています
中国人民銀行(PBOC)の統計では、2025年10月末時点の外貨預金残高が USD 1.04兆、前年比+24.3%と示されています。
ここで申し上げたいのは、「人民元が良い/悪い」という話では決してございません。
ただ、現実として、外貨建てで資産を併用する動きが増えていることは、公式統計として確認できます。
インフレは、現金の価値を“静かに”削ります
インフレの怖さは、派手な下落ではなく、気づかないうちに購買力が落ちる点です。
仮に年2%のインフレが続くと、購買力は複利で目減りし、下記のような計算になります(複利で目減りします)。
- 20年後:今の約0.67倍(約33%減)
- 30年後:今の約0.55倍(約45%減)
たとえば「2,000万円」を現金で置いたままだと、20年後には体感として“約1,340万円分”の買い物しかできない、という状況が起こり得ます。
つまり、同じ生活水準を守るには、必要額が増えていく可能性が高い、ということです。

上記は年2%のインフレが一定で続くと仮定した、単純な複利計算上の参考例です。
将来の物価動向や実際の購買力の変化を保証するものではありません
世界では「投資している」ことがむしろ標準になっています
英国FCA(Financial Conduct Authority)の Financial Lives Survey 2024 と、米国FRB(連邦準備制度理事会)の家計調査(Survey of Consumer Finances: SCF)、さらに金融庁が日銀・FRB・英国ONS等の統計をもとに整理した比較資料によると、国によって「家計がどれだけ市場に参加しているか」が違い、時間が経つほど差がつきやすい構造があります。
ポイントは ①行動(投資している人の割合) と ②資産の置き場所(家計資産の中身) の2つです。
①「投資に参加している人の割合」=行動の比較
数字で見ると、日本は「投資している側」がまだ少数派です。
- 米国:58%(過半数が株式に参加)
- 英国:35%(3人に1人が投資を保有)
同じ“市場参加”でも、見え方ははっきり分かれます。米国は「投資している方が普通」になります。
この差は、時間が経つほど効いてきます。市場に“席がある人”と、“席がない人”で、増え方が分かれやすいからです。
②「家計資産の中身」=ポートフォリオの比較
さらに“資産の置き場所”を見ると、日本の特徴はもっと明確です。金融庁の整理では、現金・預金の比率は
- 日本:49%(資産のほぼ半分が現金・預金)
- 英国:35%
- 米国:13%
つまり日本は、家計の中身が「現金・預金に強く偏った構造」になっています。この偏りは、インフレや通貨変動が起きたときに、“守っているつもりでも実質が削られやすい”要因になり得ます。
ここで申し上げたいのは、「どの国が優れている」という話ではございません。
ただ、市場に参加しているかどうかで、時間とともに差が開きやすいという点です。
同じ積立でも、結果がどれくらい変わるか(概算)
以下は一定の条件を仮定したシミュレーション(参考例)であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
仮に毎月5万円を20年間積み立てた場合:
- 年0%(預金に近い):約1,200万円
- 年7%(長期分散の参考値):約2,600万円前後
上記の差額(約1,400万円)は、あくまで上記仮定に基づく参考値です。
30年間なら差はさらに大きくなりますが、条件によって結果は変動し、差が拡大する場合もあれば、想定どおりにならない場合もあります。

投資は将来の成果を保証するものではありませんが、インフレや為替変動により現金の購買力が変動し得ること、また資産配分の違いによって将来の結果が変わり得ることから、「何もしない」選択にも実質的なコスト(インフレ・通貨変動・機会損失)が生じ得る点は一般論としてご理解いただければと存じます。
中国在住の日本人が直面しやすい「中国特有の現実」
中国で資産を設計する際は、日本国内よりも下記のような事情が絡み、途中で運用が止まりやすい傾向がございます。
- 通貨が複数になりやすい
- 将来の居住国が変わり得る
- 資金移動の実務が重くなる
だからこそ、「良い商品」以前に、通貨・目的・出口の設計が重要です。
参考:不確実性が高まる局面では「外貨・安全資産通貨」への分散が進むことがあります
地政学リスクなど不確実性が高まる局面では、市場参加者がリスクを抑える動きを取り、米ドルやスイスフランといった相対的に安全資産とみなされやすい通貨へ資金が向かいやすい傾向があります。
足元でも、イラン情勢を巡る緊張の高まりを背景にスイスフラン高が進み、スイス中銀(SNB)が急激なフラン高に対する対応可能性に言及するなど、市場の安全資産選好が意識される局面が見られます。 また同局面では、原油価格の上昇が同時に起きやすく、エネルギー輸入への依存度が高い国の通貨は、状況によって相対的に逆風となる場合もあります。
このような背景から、海外在住者の資産管理では、特定の通貨に偏らず、生活通貨・収入通貨・将来の支出通貨のバランスを踏まえて、複数通貨(例:USD/CHF等)で分散して保有するという考え方が実務上の論点になります。
通貨・資産の価値は変動し、将来の結果を保証するものではありません。
では、何をすればよいのか(初心者の方ほど“順番”が大切です)
順番は次の通りで十分です
- いつ使うのか(教育・帰国後・老後など)
- どの通貨で使う可能性が高いか(JPY/USDなど)
- 期間(5年・10年・20年)
- 変動許容度(どの程度の上下なら耐えられるか)
- そのうえで、積立・一括・分散の組み立て
ここまで決まると、「何を買うべきか」は後から自然に絞られていきます。
なぜ deVere Group なのか
弊社は英国系の独立系国際金融コンサルティング会社として、世界最大級の規模を有しております。世界70か国以上に拠点を展開し、10万人を超えるお客様とお取引がございます。2025年の現時点の総資産管理額は140億ドルでございます。
弊社は特にイギリスの大企業との取引においても多くの実績を持っています。例えば、ロールスロイス、テスコ、バークレイズ銀行など、皆様がよくご存じの企業も弊社のサービスを利用しています。これらの企業は、弊社の子会社であるWorkplace Solutions Ltdを通じて、従業員向けの年金サービスを利用しています。

独自投資商品:ストラクチャーノート(仕組債)
deVere Groupでは、一般的な投資商品に加え、海外で組成されるストラクチャード商品(ストラクチャーノート)をご案内できる場合があります。
ストラクチャーノートとは
通常2〜6年程度の期間で設計され、株式や株価指数などの値動きに応じてリターン条件が決まる商品です。
商品によっては、一定条件を満たした場合の利息相当の受け取りや早期償還、案件によっては元本保護設計や損失緩和設計が組み込まれるものもあります。
「投資の神様」とも呼ばれる米国の著名投資家ウォーレン・バフェットの投資先として知られる企業群を参考にした案件や「欧州主要株価指数(Euro Stoxx 50)連動で、満期時元本保護型のストラクチャード商品もご案内可能です(※発行体リスク等により元本が毀損する場合があります)。」本稿で挙げた商品例は、当社がご案内可能な選択肢の一例です。
- 発行体信用リスク:本商品は発行体(および保証が付く場合は保証体)の信用力に依存し、発行体等が破綻・債務不履行となった場合、元本が毀損する可能性があります。
- 市場リスク:連動対象(株価指数等)の変動により、受取額・最終結果が変動します。
- 元本保護の条件:本稿で「元本保護」等に言及する場合でも、一定の条件下で満期まで保有した場合を前提とする設計であり、状況により元本割れの可能性があります。
- 早期償還/条件変更の可能性:商品によっては、所定の条件により早期償還となる場合があり、期待する期間の運用ができないことがあります。
- 流動性(途中売却)リスク:途中売却は可能でも、売却価格が元本を下回る場合があり、また市場環境によっては希望どおりに売却できない可能性があります。
- 為替リスク(該当する場合):外貨建て商品の場合、為替変動により円換算の受取額が変動し、円ベースで元本割れとなる可能性があります。

参考データ(※過去実績)
参考として、資料「Structured Note Maturities Q4 2025」によれば、2025年Q4に満期を迎えたノート2,483本のうち、元本全額返還+利益で償還:2,328本(93.76%)、元本全額返還のみ:63本(2.54%)、元本の一部損失:92本(3.70%)という結果でした(2026年1月6日時点)。

これらのデータは、ストラクチャーノートが一律に「損をしやすい商品」というものではなく、商品設計や市場環境によって結果が分かれる一方で、条件次第では元本返還および利益獲得に至るケースも相応に存在することを示しています。
なお、本商品は元本保証ではなく、市場環境や連動対象の変動、発行体の信用状況等により、元本割れとなる可能性がある点にはご留意ください。
本稿は情報提供を目的としており、特定の金融商品・取引の勧誘または投資助言を目的とするものではありません。投資には元本割れを含むリスクがあり、将来の運用成果・受取額等を保証するものではありません。実際のご提案は、お客様のご意向・投資目的・リスク許容度等を踏まえて個別に行います。
海外在住者の資産形成で難しいのは、「良い商品」以前に、下記のような事情が絡み、途中で運用が止まりやすい点です。
- 通貨が複数
- 将来の居住国が変わる可能性
- 資金移動の実務
- 使うタイミング(出口)
deVereでは商品ありきではなく、通貨・目的・出口から逆算して設計し、必要に応じて見直し(レビュー)を重ねながら、継続しやすい形を整えていきます。
まとめ
- 円安は「いつか来る」話ではなく、すでに大きく動きました
- インフレは「理論」ではなく、現金の購買力を静かに削ります
- 中国では外貨・資金移動に制度上の枠があり、“必要な時に一気に動かす”が難しい場面があり得ます
- 実際に外貨預金が増えていることは、中国人民銀行の統計でも確認されています
- 日本の家計も現金・預金比率が高く、海外在住者ほど通貨とインフレの影響を受けやすくなります
そのため、もし今、下記のようなお悩みが少しでもおありでしたら、まずは『始める前の整理』だけでも先に行っておくことをおすすめいたします。
- 円だけで大丈夫か不安
- 人民元だけで良いのか迷う
- 帰任時の為替が読めず不安
- 何から始めればよいか分からない

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